この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「あれ?意外に難しいな…」


人間になってもやはり木登りに苦戦する俺に


「違う違う。手はこっちにかけると登りやすいんだよ」


そう言いながら、反対側からヒョイと木に登る美代。


人間歴が長い分、美代は体の使い方をよく理解しているようだ。


「こうか?」


「そうそう、私なんてもっと上に行けるよぉ~!」


「コラ、あんまりはしゃぐと怪我するぞ」


俺は先をいく美代を見上げた。


「…!!!」


瞬間、俺は目を見開き木から落ちそうになった。


「お、おい美代!!」


「ん~?よいしょっ…と」


よいしょっとじゃなくて…


「お前、パ…パンツ見えてるぞ」


「え?!」


下を見た美代と目が合う俺。


「きゃ―ッ!!マ、マサルさんの変態…!!!」


「へ!?変態は美代だろ!!勝手にパンツ見せやがって」


「!!!///」


「だいたいスカートで木登りするなよ」


俺が言い返すと


美代は真っ赤になりながら木から降りて歩き出してしまった。


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