この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
今の俺なら…

美代に好きを伝えられる?


俺の心臓は高鳴った。


もうすぐ消えるなら…


この気持ちだけは伝えたい。





俺はいま編んだハート型のシロツメ草の輪を背中に隠して、美代に近付いた。


「美代」


「ん?」


「これ、やるよ」


俺は美代の前にしゃがみこむとその手の上にそっとハートのシロツメ草を置いた。


「わ…ぁ、すごい」


目を輝かせる美代。


「これ…シロツメ草の首飾り?私も昔マサルさんとよく作ったの!」


「元気が出るお守り、だろ?」


「え?」


「いや、でもそれは首飾りじゃなくて…」


俺はそこまで言うと言葉を詰まらせた。





やばい…

ドキドキする

美代の顔が見れない



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