この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「み、美代…」


そんな美代に、俺の胸は甘酸っぱく締め付けられた。


きゅん…と苦しくて愛しくて


どうしようもなくて


俺は美代の手を押し花ごと両手で包んだ。


「美代…」


伝えたくてたまらなかった、あの頃の気持ちも一緒に甦える。


「この押し花も、今渡したシロツメ草も…俺の気持ちだ」


「…………」


ゆっくり顔をあげる美代と視線が重なった。


「ずっと好きだった」


「……………」


「美代にずっと伝えたかった」





好きだよ、美代


やっと伝えられた――…







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