この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「ん…?でも、マサルさん…なんか…ちょっと待って?」
「……え?」
美代の声に俺はギリギリのところで顔を止めた。
み…美代…??
俺は美代を見る。
「マサルさんの言い方だと…マサルさんとうさぎのマサルさんが…同一人物みたいに聞こえない?」
「……は……?」
美代は閉じていた瞳を開くと俺を見た。
さっきとは違う雰囲気で重なりあう瞳。
「それに…なんだかマサルさんとうさぎのマサルさんて、出来すぎた偶然も多いよね?」
「え…?」
「だって…マサルさんが現れたのって、うさぎのマサルさんと入れ違いだし…」
そう言うと美代はう―んと考え込んだ。
「おい……美代…?」
いきなり…どうした?
俺なにかマズイこと言ったか?
「あ…!そう言えば、最近うさぎのマサルさんが帰ってきた時には、逆にマサルさんが急に消えてたよね!?」
「え……あ……?」
「ねぇ、あの時なんで急にいなくなったの?」