この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
黒い…ワゴン車?


美代が……連れ去られた?


俺は愕然とした。


心のどこかで、俺は美代は自分の意志で隠れているんじゃないかと思っていた。


いたずらっ子な美代が、
びっくりした?って笑いながら出てくるんじゃないかと…



だけどその希望は消え失せた。


絶望に、心が真っ暗になる。





「あ…りがとう…」


俺は小さく呟くと震える手で紗夜子を地面に置いた。


とりあえず帰ろう…


俺はそのまま家に走り出した。


どうすればいいのか分からない。


美代を連れ去ったのはどこのどいつだ?!


走りながら、やり場のない怒りに体中の血が沸騰した。



朝になったら銀を呼ぼう。


今はまだ暗くて飛べない銀。


山吹の休暇は終わったのだろうか?


誰でもいい…

誰でもいいから助けてくれ!!












そして、美代……



どうか無事でいて………







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