この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
――――――…





市内中心部に位置するTV局。


全国放送もしているだけあり、その建物は高層ビルだ。





入り口をくぐると、俺たちは警備員に止められた。


まぁ…明らかに部外者だし、俺に至っては全身どろどろだから仕方ないけど。


しかし


玄関ホールで俺たちを待っていた例の、突撃deQの責任者がその様子に気付き


俺たちはすぐに解放されたのだった。


「や…すまなかったね。」


俺たちを解放しながら苦笑いをする責任者の顔色は明らかに悪い。


「別に…というか、ビデオって何だよ?美代は無事なのか?」


俺の声に責任者の顔色はさらに悪くなった。


「無事は無事だ…が、何とも言えん。まぁ、とにかく来たまえ」


「はぁ?なんだよそれ!」


「私たちも詳しくは分からないんだ…!」


「…………!?」


「とにかく…来たまえ」


責任者は周りの視線を気にしてから俺たちをエレベーターへと誘導した。


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