この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
TVの前にはパイプ椅子が用意されていた。


俺たちは尾崎に促されるまま、椅子に座る。


尾崎は俺の横に立ち、突撃deQの責任者がリモコンを操作していた。


近くにいる報道員たちも、仕事をする手を休めて俺たちの周りに集まってきた。


「では…再生する」


責任者がリモコンをTVに向けた。


ゴク…ン


俺は生唾を飲み込んだ。


俺だけじゃない。


ヒゲ男や夏美もゴクリと画面を見つめていた。



怖い……

一体今から何が始まるのか…


俺は震える手を握り、画面を見つめた―――…







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