この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
再生と同時に、暗いTV画面は砂嵐になった。
ザ――――…というノイズ音
不愉快な雑音が不安を煽る。
そこから画面は急に倉庫のような場面に切り替わった。
静寂、そして殺伐とした倉庫内風景。
画面中央には椅子に縛られ目隠しをされた少女。
それを挟むように、覆面をした男が仁王立ちで2人立っていた。
―――…え?
ドク…ン
その画面を見た瞬間
俺の心臓は痛いほど跳ね、目は見開かれた。
「美…代……?」
な、なんで…?
椅子に縛られた少女の体は何重にも巻かれ、目隠しの他に口にも布を当てられていた。
半分以上隠れた顔。
しかし、それは間違いなく美代だった。