この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「都会にきて自然が恋しくなった?」
いつの間にか電話を終えた美代はゲージの中を覗きこんで俺に問いかけた。
『そんなんじゃ…ねぇよ』
俺はもぞもぞ動いて美代の視線に背を向けた。
『もう…今だけは頼むからほっといてくれ』
もう少ししたら…
きっと諦められる日がくる。
俺は自力で立ち直るから――…
だけど俺がそう願っても、美代にはその言葉さえ伝わらない。
「よし、わかった!明日は大学お休みだから一緒に緑地公園行ってみようか」
そう言って優しく俺の背中を撫でる美代。
『…………』
何も伝わらなくて当然なのに、
その事実さえ苦しくなる。
せめて気持ちだけでも伝わればいいのに、と願ってしまう。
そんなことは無理なのに。
いつの間にか電話を終えた美代はゲージの中を覗きこんで俺に問いかけた。
『そんなんじゃ…ねぇよ』
俺はもぞもぞ動いて美代の視線に背を向けた。
『もう…今だけは頼むからほっといてくれ』
もう少ししたら…
きっと諦められる日がくる。
俺は自力で立ち直るから――…
だけど俺がそう願っても、美代にはその言葉さえ伝わらない。
「よし、わかった!明日は大学お休みだから一緒に緑地公園行ってみようか」
そう言って優しく俺の背中を撫でる美代。
『…………』
何も伝わらなくて当然なのに、
その事実さえ苦しくなる。
せめて気持ちだけでも伝わればいいのに、と願ってしまう。
そんなことは無理なのに。