この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「え~そうなんですか?今日はマサルさんが主役なのに…」


俺の返事に一同は残念そうな顔をしてくれた。



「す…まないな…」


せっかく打ち解けた仲間に対して申し訳ないとおもいつつ…


俺はそれだけ言うと


心の闇を悟られないようまた窓の外を見た。





美代――…


美代に会いたい……


今はそれしか考えられない。



「神様……」


俺は独り言のように呟いた。


神様が本当にいるのなら…


俺はどうなってもいい。


だからどうか…

美代だけは助けて













中継車がTV局につくと、ビルの前でヒゲ男と夏美が待ってくれていた。




俺は中継車から降りると二人の元へ駆けて行った。


「マ、マサル…!」


俺を迎えるヒゲ男の顔色は良くない。


「なにか…あったのか?」


嫌な予感を察知した俺にヒゲ男はウンウンと頷いた。


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