この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「今から行きたい…」
美代の居場所が分かって、俺はいてもたってもいられなかった。
一秒でも早く美代の元へ駆けつけたい。
だけど
今からすぐなんて行けるのか?
報道へリなんて…すぐに用意ができるものなんだろうか?
そんな俺に尾崎は言う。
「そう言うと思って声明後にすぐに用意させたよ」
「……!!」
「おそらく5分後には出発できるはずだ」
「…!!!!」
驚く俺と目が合うと、尾崎は大きく頷いた。
「元は…弊社の放送がきっかけで彼女をあのような目に合わせてしまった。申し訳ないと思っている」
………え?
尾崎は俺の手を取った。
「君に…頼るしかない我々を、どうか許して欲しい。きっと彼女を救ってくれ」
「…………」
尾崎の真摯な瞳に、俺は決意を改め頷いた。
そして
「よし!さっそく準備しよう」
尾崎の声に、また時間が慌ただしく動きだした。