この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
草木が生い茂る森の中を俺たちは歩く。
来た時と同じように蒸し暑く、体力を消耗している美代はなんども転びかけていた。
「っと…大丈夫か?」
「う、うんゴメン…ありがとう」
はぁはぁという美代の息遣いを隣に感じる。
覆面に武装した男たちは相変わらず俺と美代を見張るように銃口を向けていて
だけど俺の心はどこかクリアで冷静だった。
隣にいる美代を守らなきゃ
そんな思いが俺を強くする。
なんていいつつ
実際、この状況を打破する糸口すら思い付かないのだが―――…
その時、
プ――…ン、と一匹の蜂が俺の鼻先をかすめた。
そして…
『あ、いたいた、マサルさんだブ~ン』
蜂は急ブレーキをかけると、ブ~ンと俺の顔の周りを飛び始めた。
――…ん?
俺は蜂を見た。
『僕ずっと、マサルさん探してたんだブ~ン』
「え?俺…を?」
『だブ~ン。上空からじゃ木が邪魔でマサルさんの位置を確認できないんだブ~ン』
「上空…?」
俺は上を見た。
確かに…
生い茂る木々の葉が邪魔で、こちらからも空は見えない状況だ。
だけど上空がどうしたっていうんだ?
すると蜂がまた声を出す。
『マサルさんの声、ちゃんと届いたブ~ン』
「…―!!!」
蜂はそこまで言うとブ~ンと上空へ飛んで行った。
来た時と同じように蒸し暑く、体力を消耗している美代はなんども転びかけていた。
「っと…大丈夫か?」
「う、うんゴメン…ありがとう」
はぁはぁという美代の息遣いを隣に感じる。
覆面に武装した男たちは相変わらず俺と美代を見張るように銃口を向けていて
だけど俺の心はどこかクリアで冷静だった。
隣にいる美代を守らなきゃ
そんな思いが俺を強くする。
なんていいつつ
実際、この状況を打破する糸口すら思い付かないのだが―――…
その時、
プ――…ン、と一匹の蜂が俺の鼻先をかすめた。
そして…
『あ、いたいた、マサルさんだブ~ン』
蜂は急ブレーキをかけると、ブ~ンと俺の顔の周りを飛び始めた。
――…ん?
俺は蜂を見た。
『僕ずっと、マサルさん探してたんだブ~ン』
「え?俺…を?」
『だブ~ン。上空からじゃ木が邪魔でマサルさんの位置を確認できないんだブ~ン』
「上空…?」
俺は上を見た。
確かに…
生い茂る木々の葉が邪魔で、こちらからも空は見えない状況だ。
だけど上空がどうしたっていうんだ?
すると蜂がまた声を出す。
『マサルさんの声、ちゃんと届いたブ~ン』
「…―!!!」
蜂はそこまで言うとブ~ンと上空へ飛んで行った。