この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
『よぉ、マサル。思ってたより随分と本格的な敵だニャ~』


ボスはのすのすと歩いてきた。


「ボ…ボス!お前どうやってここまで…」


『ニャ?んニャもん忠兵衛たちと同じ方法だニャ』


「…………」


俺が浜辺を見ると、ボスの後方には疲れ果てたように横たわる3羽のカラスがいた。


『マサル坊のSOSを聞いて駆け付けない訳にはいかニャいからニャ~』


「ボ…ボス…」


『全く、いつも猫遣いが荒くて困るニャ』


「……………」



俺は涙が出そうになるのを笑いでごまかした。


ありがとう、みんな。


本当にありがとう



『あんちゃん!ネズミ達に指示を出してくれっチュ!おで達、戦いに関しては素人なんっチュ!』


「あ、あぁ!わかった!」


と言っても俺だって戦いなんて初体験だが。


「美代…危ないから俺の後ろにいろ!」


「う、うん!わかった」


こうして俺は忠兵衛たちに指示を出していった。






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