この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
―――しかし


セスナ機が更に速度をあげその機体が半分浮いた時


「ぐあぁ……ッ!!」


操縦席から突然、指名手配の男の悲鳴が聞こえ


同時に機体が大きく傾いた。


………!!?


続いてガタガタッと機内が大きく揺れ俺や美代、武装集団は遠心力により壁に押し付けられた。



そして


セスナ機はそのまま砂浜に右翼をめり込ませ、右に傾いた状態で止まった。


エンジン音が止み一瞬の静寂が訪れる。



「く……美代…大丈夫か?!」


「うぅ…だ、大丈夫…」


激しく体をぶつけた俺たちはなんとか機内から抜け出した。


武装集団も頭をクラクラさせながら機内から這い出てくる。


な…なんなんだ…!?


全員が混乱状態だった。





その時


「ぐおぉぉおぉ…!!」


指名手配の男が怒りの声と共に操縦席から外に出てきた。


男は頭から血を流し、その手には猫が捕まれていた。


その光景を見て俺と美代は目を見開いた。




あれは………ボス??!


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