この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
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―――――…








浜辺では、山吹と銀の活躍により武装集団がほぼ壊滅状態になっていた。


武装集団の何人かは海に逃げ出そうとしたが


海もこちらへ向かってくる動物達が逃げ場を固め、形勢は完全に逆転していた。



「す…すごいね。山吹さんと銀さん…マンガみたいな動きしてる…人間じゃないみたい…」


「…………」


人間じゃ、ないからな。


俺は朦朧とする意識の中で、その光景を見つめていた。


その時、俺はふと異変に気付いた。


「お、おい…美…代」


「ん?」


「あ…の…指名手配…されてる奴…いる…か?」


「………え……?」



俺の言葉に美代は砂浜を見渡した。


そして美代はハッと息を飲む。


「いない…いないよ、マサルさん…!」


「……………」


くそ、やっぱり…


どうも気配がしないと思ったんだ。


武装集団はまだ残っているのにアイツ…仲間を捨ててどこへ行ったんだ?!



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