この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「ま、マサルさん…!!」


「っ…!!」



しまった…


もっと早く気付いていれば…


俺と美代はその姿をただ見つめるしかなかった。


そして


セスナ機はついにトップスピードになり、機体が徐々に浮き始めた。













その時だったーー…









ドゴォオオオオンン!!




突如、セスナ機が空中で爆発した。






「………ッ!!!?」


俺と美代は目を丸くした。


「な…なんや!?えらい派手な音がしたなぁ!?」


武装集団を縄で縛り上げていた山吹と銀も突然のことに顔を上げた。


凄まじい爆発音に浜辺がビリビリと揺れた気がした。





ゴォォォ――…



セスナ機は真っ黒な煙をあげながら海に墜落していく。











「ひゃっほぉおお!!俺すげぇええ!!」


砂浜にそんな場違いな声が響いた。




……!!?



この声は…


森の前に…誰かが立っている…






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