この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「ァ…アキ…ラ…しぇんぱい?」
―――…ヒゲ男?
美代の震える声に俺は霞む目をしかめた。
あいつが…生きて…る…?
「マサル~美代ちゃん!!この俺が来たからにはもう安心しろ!!」
ヒゲ男はロケットランチャーをドサッと砂の上に置いた。
「俺とこの相棒が敵をコテンパンに……」
ヒゲ男は格好よくポーズを決めながら浜辺の様子を見て目を丸くした。
「コテンパ……って…な……な、なんじゃこりゃ――!?」
砂浜には既にきっちり束に縛られた武装集団。
そして白い袴姿の金髪男と丸眼鏡にヒビの入った男が立っていた。
さらに
海ではキリンやゾウやライオンなど30種近い動物たちが群れを成し
今まさに浜辺に上がろうとしているところだった。
海上には鳥が渦を巻くように飛んでいる。
目を疑うような光景にヒゲ男は思わず頬をつねった。
「い…一体どうなってんだ!?」