この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐





「ァ…アキ…ラ…しぇんぱい?」






―――…ヒゲ男?



美代の震える声に俺は霞む目をしかめた。





あいつが…生きて…る…?







「マサル~美代ちゃん!!この俺が来たからにはもう安心しろ!!」


ヒゲ男はロケットランチャーをドサッと砂の上に置いた。


「俺とこの相棒が敵をコテンパンに……」


ヒゲ男は格好よくポーズを決めながら浜辺の様子を見て目を丸くした。


「コテンパ……って…な……な、なんじゃこりゃ――!?」


砂浜には既にきっちり束に縛られた武装集団。


そして白い袴姿の金髪男と丸眼鏡にヒビの入った男が立っていた。



さらに


海ではキリンやゾウやライオンなど30種近い動物たちが群れを成し


今まさに浜辺に上がろうとしているところだった。


海上には鳥が渦を巻くように飛んでいる。



目を疑うような光景にヒゲ男は思わず頬をつねった。


「い…一体どうなってんだ!?」





< 472 / 513 >

この作品をシェア

pagetop