この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

真実

「え…?山吹さん…マサルさんの親友じゃ…なかったんですか?」


美代がぽかんと言った。


「あ~…ごめんな?あれ嘘やってん。まぁ、今や親友かもしれへんけどな?」


「え?う…嘘…ですか」


「せや。ついでに休暇中に四方八方調べたんやけどな。マサルさんも天使やったわ!」


山吹はサラッと言った。






………は?


山吹があまりにも普通に言うから、俺は一瞬聞き間違えかと思った。


しかし…


「マ…マサルが天使?!天使ってあの頭に輪っかがついてるあれか?!」


どうやらヒゲ男にもしっかり聞こえたらしい。


美代は言葉も出せなかった。



「思い当たることはあるやろ?マサルさんは海で夏美ちゃんの消えかけの命を甦らせたし、寿司屋ではTV関係者の記憶を操作しとった」




……は………?



「無意識とはいえ、全部ほんまは違法行為やで」


…………


俺が…何をしたって…?



「コントロールがうまくできへんのに力を使いまくるからリバウンドしたんや」



< 475 / 513 >

この作品をシェア

pagetop