この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
そ…んな…
「マ…マサルさんが天使だと、このあとどうなっちゃうんですか?」
美代が山吹を見た。
「ん。天使なら…小さくなった魂も大人しくしとったら自力で回復できるはずやった。せやから回復後は多少のペナルティはあるやろけど…天使として俺が神様ん家に連れてく予定やってん」
休暇を取ったのは神様にペナルティの軽減を交渉しにいく為だった、とも山吹は付け加えた。
「ち、小さくなった…魂…?」
美代は首をかしげる。
「…じゃあマサルさんは天使に戻ってしまうんですか?」
「マ…マジかよ…それって美代ちゃんとマサル…離れなきゃなんねぇのか?」
ヒゲ男の言葉に美代は息を飲む。
「せやな…けどその予定ももう取り消しや」
「え……?」
山吹は俺を治癒している銀の横しゃがみ込むと、俺を見た。
血は止まり傷口はもうふさがっていた。
「マサルさん…もう苦しゅうないか?」
「あ…ぁ」
銀のおかげで体はもう痛くない。
その言葉に美代とヒゲ男は安堵した。