この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
しかし―――…










「見た目の傷は治ったっポよ…でも…もうマサル氏は…」











「……………え?」



銀の言葉に美代の顔が固まった。


「ごめんっポよ…僕に力が足りなくて…」


銀は傷口から手を引くと、うつむいた。


「…アホか。銀のせいちゃう。マサルさんが無茶苦茶し過ぎたんや」


山吹の容赦ない言葉。


「クルック~…確かにそうっポけど」


銀まであっさり認めた。



「は…は…」


そんな二人に俺は小さく笑った。



確かに色々、想像以上の事態を引き起こしてしまった。


おかげでこんなにぼろぼろだ。


だけど…美代を救えたから


例え死んでも、後悔はしていない。





そんな俺を見て山吹も笑う。


「まぁ、マサルさんらしいけどな」





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