この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
豚に猫にうさぎに―…


この家には、なんと10種類を越える動物が住んでいる。


どれもこれも捨てられていたのを美代が拾ってきた動物たち。


美代はトロいが優しい子だった。


そしてそれを嫌な顔せず美代の代わりに世話してくれる伸太郎。


だから伸太郎は俺たちの恩人なのだ。



色々な動物と共存してきたせいか、俺は全動物の言葉が分かる。


他の奴らも人間の言葉だけは理解しているが…


全員の言葉がわかるのは俺だけだった。



多分うさぎだから他の奴らよりも耳が良かったんだな、うん。





「パパ、お待たせ~」


ようやく準備が出来た美代は、俺を抱き上げると車に乗り込んだ。




『マサル~!元気でなぁ!』



多種多様な動物たちに見送られ俺たちを乗せた車は走りだした。


< 5 / 513 >

この作品をシェア

pagetop