この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
美代は冷蔵庫の一番下をごそごそしてから片足で扉をしめた。


「暑い夜にはアイスクリーム♪」


鼻歌を口ずさみながら戻ってきた美代の片手にはアイス棒が握られている。


そのまま座る美代は丸テーブルの上を見て目を丸くした。


「あれ?なにこれ?」


『それ…美代にやるよ』


「え?うそ~マサルさんが作ったの?」


美代は俺の脇腹に手を入れるとそのまま顔の高さまで俺を抱き上げた。


美代の前でぷらんと向き合う俺は恥ずかしくて顔を背けた。


『汚いけど…一生懸命作ったんだ』


美代のために…


「シロツメ草の首飾りだよね?これ。すごいねマサルさん!!すごいすごい」


満面の笑みで俺を褒める美代。


「これ、私にくれる為に作ってくれたの?」


こくん

言葉が通じないかわりに、俺は美代にも伝わるように大きく頷いた。


「ひゃ~///マサルさんすごいすごい!ありがとう~」


美代はそのまま俺を抱きしめた。


「マサルさんありがとう。大事にするからね」


『………///』


「マサルさん大好き~!」



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