この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

危険な香り

7月に入り暑さも本格化した。


窓の外ではしきりに鳴く蝉の声



『蝉の抜け殻って意外とうまいんだにゃ~』


ボスはそんな事を言いながら俺にも蝉の抜け殻をくれた。


『この時期は食いっぱぐれが少にゃいから良いニャ』


『クルック~そういや最近美代氏はよく家にいるックル~ね?』


いつものベランダでの井戸端会議。


銀は室内にいる美代を見た。


『あぁ、夏休みらしいぜ』


7月になり美代の大学も夏休みにはいると、美代は家にいることが多くなった。


それでもたまに大学や図書館に調べものに行ったり


美代が参加するボランティアのサークルの集まりに参加したりと


美代の夏は忙しそうだった。


「あ、マサルさんのお友達今日も来てるの~?」


井戸端会議中の俺たちをみて、美代はベランダにやってきた。


俺たちを見付けると美代はいつも餌をくれる。


ボスにはカニカマを、
銀にはコーン缶を。



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