この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「や―――…」


『美代ッッ!!!』



俺は叫んだ。


美代を助けたいのに

力では敵わない。

声も届かない。


俺は無我夢中で助けを求めるようにあたりを見渡した。


『!!』


そして俺はリビングに立ててあるスタンドライトに目がいった。


俺はそのままスタンドに突進した。


ドンッ


体に大きな衝撃を感じ
グラッとスタンドライトはそのまま傾き倒れていく。


『よし、いけっ!』


俺の声と共に




ガシャ―――ン!!!



スタンドライトは床に倒れ、大きな音を立てた。

電球が割れ床に硝子が飛び散る。


「な!なんだぁ!?」


音に驚いた男は振り向いた。


俺はその顔面に飛びかかる。


『テメ―!美代から離れろ!』


「うわっ!!なんだこのウサギ!!」


男は慌てて立ち上がると俺を振り払い逃げるように寝室から出た。


『ッ…!!』


再び床に叩きつけられた俺は、それでも男を睨み付ける。



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