この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「うわ…っ、このウサギ何してんだ…」


一方の男は


スタンドライトが倒れ硝子が飛び散り、めちゃくちゃになったリビングを見て頭に手を当てた。


そして、寝室の前で美代を守るように立ちふさがる俺を一瞥して


「はぁ…お前全然しつけられてねーなぁ?誰が片付けると思ってんだコレ…」


めんどくせぇ~…とため息をつきながらも


倒れたライトを戻して床の硝子を掃除し始める男。


『掃除とかいいから…!サッサと帰れよ!』


「わぁったって…警戒していちいち鳴くなよ。うっせぇなぁ~…これ片付けたら今日は帰るってば」


イライラしながら片付け終えた男は


さらさらと一枚のメモを机に残してリビングを出ていった。


俺は唸り声を出しながら最後までその背中を睨み付ける。




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