この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
そんな時だった。
ニャ~…
どこからか野太い鳴き声が聞こえた。
―――ん?
俺と美代が声の方に目をやると少し離れた位置に猫がいた。
野良猫だろうか…
ふてぶてしい態度の猫は目を細めながら俺たちを見つめている。
『なんや…知らん顔が来よったニャ』
猫は一言呟いた。
美代は鞄をごそごそすると何かを取り出し笑顔で猫をみた。
「こんにちわ猫ちゃん、良かったら食べる?」
美代の手には俺の餌のニンジンが持たれていた。
『…………』
猫はジトッと美代を見ると無言でのそのそと去って行った。
「ありゃ?お腹すいてないのかなぁ…?マサルさん食べる?」
美代は俺にニンジンを近付けた。
『………俺は人参は嫌いだ』
腹は空いたけど…
そんなあからさまな生の餌みたいなのは食えねぇ。
ちなみに伸太郎は俺にいつも人間と同じ釜の飯をくれていた。
俺は米が好きなんだ。
ニャ~…
どこからか野太い鳴き声が聞こえた。
―――ん?
俺と美代が声の方に目をやると少し離れた位置に猫がいた。
野良猫だろうか…
ふてぶてしい態度の猫は目を細めながら俺たちを見つめている。
『なんや…知らん顔が来よったニャ』
猫は一言呟いた。
美代は鞄をごそごそすると何かを取り出し笑顔で猫をみた。
「こんにちわ猫ちゃん、良かったら食べる?」
美代の手には俺の餌のニンジンが持たれていた。
『…………』
猫はジトッと美代を見ると無言でのそのそと去って行った。
「ありゃ?お腹すいてないのかなぁ…?マサルさん食べる?」
美代は俺にニンジンを近付けた。
『………俺は人参は嫌いだ』
腹は空いたけど…
そんなあからさまな生の餌みたいなのは食えねぇ。
ちなみに伸太郎は俺にいつも人間と同じ釜の飯をくれていた。
俺は米が好きなんだ。