この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
『―…るっポ』
『―マサル―…きるっポよ!』
深い深い闇の底で―――…
銀に名前を呼ばれながら
俺は見えない出口に向かって、必死でもがいていた。
一粒の光に向かって―――…
……ってあれ?
もがいているって…
俺は死んだんじゃないのか?
『マサル氏おきるっポよ!!』
「っ!!!」
いきなりハッキリ聞こえた銀の声とともに、
俺は深く真っ暗闇なトンネルから一気に光の中に放り出された。