【短】君が僕を忘れても、僕は君を好きでいる
君はひと言もしゃべらずに、



流れる窓の外の景色を見つめていた。



僕も無言でハンドルを握る。



車内に残る潮風の残り香が、微かに鼻をくすぐる。



さっきの君の言葉だけで、



僕たちは別れたことになるとしたら、



僕はもう君の彼氏ではないのかな……。



君はもう僕の彼女ではないのかな……。



二人で過ごしてきた今日までの日々を、



君は簡単に捨てることが出来るのかな?



僕にはそんなこと、すぐには出来そうもないよ。



いや、ずっとずっと出来ないだろうね。

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