【短】君が僕を忘れても、僕は君を好きでいる
君の好きな曲だけが流れる車内。



必要以上に君に話しかける僕に、



君は、戸惑いの表情の中で、時々笑顔を見せてくれた。



それはきっと、



少しでも僕と一緒にいて楽しいと思ってくれているから。



そう実感できた僕は、さらにアクセルを踏んでいく。



僕は君の笑顔をずっと見ていたい。



けどその笑顔はすぐに消えてしまうんだ。



君の大好きな海なら、君は笑顔のままでいてくれるのかな。



君とこうして海に行くのは、初めてじゃない。



こんな僕でも、心の片すみにちょっとだけ期待があったりするんだ。



本当なら楽しいはずのドライブ。



でも、分かってる。



今日の君を見れば、いくら鈍感な僕にだって、



君の気持ちは読めるから。

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