【短編】恋道*恋スル帰り道
「きーず!」
きず?
街灯の下まで連れてかれ、ぱっと両手を握られる。
どきっ!
いきなり両手をつかまれて、あたし、固まってしまう。
「小石とか入り込んでない?ちゃんとよく見て」
掴んだ手を、ぐいっとあたしの目の前まで持ってきて言う。
ああ、「傷」か。
「だ、大丈夫みたいだよ‥?」
「そしたら、次、膝!」
あたしの膝小僧を指差しながら、膝も確認するように言われる。
「は、はい‥!」
迫力に負けてすっかり言う通りになる、あたし。
「‥あー!」