【短編】恋道*恋スル帰り道
「なに!?」
あたしの大声に、隆太もしゃがんで
「大丈夫すか?」
あたしの膝を心配してくれる。
いつになく真剣な顔。
いきなりのドアップ!
心臓がまたはねた。
「違う、違う!
あたしの膝は、どーでもいいの!
それより、時間!」
赤い顔を冷ますように急いで、早口で言うと、
「‥あー‥、美空さんの終電はなくなったんじゃん?」
突き放すような言い方。
「そ、それは、わかってるよー!
あたしが言ってるのは、りゅーの電車のこと!」
手をバタバタさせながら、叫ぶあたし。
「早く!急がないと!」
無反応な隆太を急かす。
くすっ。
「‥帰っていいの?」