【短編】恋道*恋スル帰り道
えっ?
あたしの反応を見て、
静かに笑っている。
どきっ。
同じ目線の、瞳と目が合った。
「な、何笑ってるのー?
こ、子供じゃないんだし、ひとりで、へ、平気だもんっ‥」
「うん。そっか」
目線が外れる。
沈黙。
何考えているのかわからない隆太に、とまどう、あたし。
「‥じゃー美空さん置いて帰ろうかなー」
「あ!う、うん!どーぞどーぞ!
あたしなら、全然だいじょーぶだから!ねっ」
くすっ。
また少し笑って隆太は、二本目のタバコをくわえた。
「な、何してんの?
早く、行きなよー!
‥電車、行っちゃうよ!」
「やだ」
カチッと音が鳴り、
隆太の顔がまた照らされてた。