【短編】恋道*恋スル帰り道
――もう少し、
もう少しだけ
――君を好きになってもいいですか?
――君を好きなままでいていいですか?
――幸せ――
頭の中に流れるフレーズ。
あ。
今あたし、幸せなんだ。
自然と流れてきた言葉に
びっくりしながらも、
それを受け止める。
口元がふわっとゆるんだ。
「美空さーん、おいてきますよ?」
隆太の呆れた声が聞こえる。
いつの間にか少し先にいる隆太がこっちを振り返って、言う。