【短編】恋道*恋スル帰り道
「彼女からー?ラブラブだねー!」
なんて、平気で言えてたのは、いつまでだったっけ?
気持ちが大きくなるにつれて
そんなこと、よっぽど酔ってなきゃ、言えない。
いや、もう酔ってても言えないかもしれないなぁ‥。
携帯の画面を真剣に見つめる隆太を見てたら、
なんだか切なくなってきて、
涙がじわっと浮かんできた。
こんなに近くにいるのに、
なんで届かないなんだろう‥?
ちょっとくらい
あたしを見てよ!
そんなこと、口に出す勇気はさらさらないくせに
心の中で叫びながら、
じわっと涙がたまった目で
後ろ姿をにらんだ。
なんでこんな恋選んじゃったんだろう?
傷ついても、切なくても、やめられないのは
どうして?
「‥ほんとに遅い。」
いきなり隆太が、振り向くから、
あわてて、下を向く。