選択
「ウイルス?それはインフルエンザとかそういう?」

私の問い掛けに医者は困った顔をする

「世の中にあるウイルスは多数にあります 全て解明しているわけではないので未知の物なのかそうでないかは病理検査をしてみない事にはなんとも・・」

なんだ?

何を言っているんだ?

この医者は


未知のウイルス?

なにそれ?


「なんでそんな・・・」

いいようのない不安が私の中に漂いはじめる

「とにかく病理検査をしますので・・お母さんよろしいですか?」

私が頷くと医者は巧にニッコリと笑いかけた

「お注射したいんだけど巧君頑張れるかな?」

「うん!」

巧は元気よく返事をする

巧の服の袖をまくりあげ医者は巧の腕を消毒し注射針を刺す

「偉いね!」

我慢している巧を褒めた時だった

注射針が微かに震え出した
「?」

私が先生の顔を見上げると先生の顔がおかしい

「先生?」

「ごっ・・ごがっ!」

医者はいきなりうめき声をあげ椅子から転げ落ち苦しみだした

「先生!!」

看護師が医者に駆け寄る

私は巧を引き寄せる

医者は直も苦しんでいる

< 10 / 46 >

この作品をシェア

pagetop