選択
どれぐらい泣いていたのだろう
ドアの向こうから靴音が聞こえてきた事に気づいた

私はドアに耳をつけ靴音に耳を澄ます

靴音がドアの前で止まった
私は咄嗟にドアから離れベッドの影に隠れた

鈍い音とともにドアが開く
誰かが部屋に入ってくる

靴音が私に近寄ってくる

私はベッドの影から立ち上がる

目の前には巧を連れさった男!

「!」

私は男につかみ掛かった

「落ち着いて!」

「お・・落ち着いて?」

男の言葉に怒りが込み上げる

「落ち着けるわけないでしょ!?巧・・巧は?」

男の衿元を揺さぶる

「きちんと説明しますから!」

男は私の手を振り払う

「ついて来て下さい」

男はそう言うと部屋を出た
私は男の言葉に従うしかない

怒りと不安に駆られながら私は男の後に続く

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