選択
「林田医師 長井看護師 お義母さん 鈴原医師 佐久間看護師・・巧くんと接触した後不可解な発作を起こし死亡
遺体解剖の結果未知のウィルスが判明しました

巧君の血液からも少し変化したウィルスもみつかりました
事実なんです」

「血液検査はしました!鈴原先生はなんも問題ないって・・!」

「従来のウィルスなら一般の血液にも反応は出たでしょう ですが今回巧君から見つかったウィルスは世界で初めてなんです
感染経路もわかりませんし何もわかっていません
わかっていることは
巧君が感染源であり巧君と接触した生物は発症し死亡する という事だけです」

「そんな・・!」

「我々としても信じがたいですが・・先程巧君の血液を猿に与えてみました
猿は死にましたよ
五体とも・・ね」

「苦しむ間もなく」

男は吐き捨てる様に呟いた
「私も巧君に接触しました」
「!」

「私も感染していました・・・」

「・・・」

私は足の震えをとめる事が出来ずにいた

イマイチ理解出来ない
というか理解したくない

巧が・・感染源・・?

他人にふれただけで人を死なせてしまう?

そんな馬鹿な!

あの子はどこにでもいる普通の子だよ?

そんなウィルスになんて感染するわけないじゃない!
だって だって !

否定する言葉が頭の中をぐるぐる回る

私はガラスの向こうの巧に目を向けた

「巧・・」

その時だった

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