選択
「・・誰?」

私の問いに声が答えた

「素性は明かせませんがあなたと巧君を監視し処分を決めるものです」

「・・処分・!」

「巧君は未知のウィルスに感染していてそのウィルスがなんなのかどこに棲息しているものなのかもまったくわかっていません」

声は淡々と続ける

「致死率百パーセントと接触感染ということ以外何もわかっていないということは対処法ももちろんわかっていないということで」

「・・・」

「巧君は世界各国に対し十分過ぎるほど驚異になりえます」

声は一旦そこで止んだ

驚異・・・
世界各国・・・
何が言いたいの・・・


「もし巧君がテロ組織に連れ去られた場合最悪な結果を生み出す事はわかりますよね?」

テロ組織・・?!

「まずその様な事態を防ぐ事 そしてウィルスの解明 これ以上の感染を防ぐの三点を行わなければなりません」

「ちょっと・・ちょっと待って!」

「・・なんですか?」

「巧は・・本当に・・?」

「信じがたいかもしれないですが事実です 目の前に死体があるでしょう?」

私の問いに声は呆れた様に話し出す

「さて・・さっきの続きですが・・
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