選択
「・・いや・・よそう・・」
主人は私の肩から手を離しそのまま何も言わず車を走らせはじめた

主人が何を私に伝えたかったのか

それは翌日知る事になる



昨日の出来事から時間が止まったようだ

私は由紀の大好きだったキャラクターのぬいぐるみをずっと抱きしめていた

主人は昨日帰ってきてから何も話さずどこかへ出かけて行った

外がすっかり明るくなりいつもなら由紀を起こす時間だ

私が起こしに行くと由紀はいつも眠い目を擦りながら・・

「ゆき・・・」

ぬいぐるみを抱きしめると由紀を抱いているようで・・・

ママ つらいよ・・
嫌だよ・・・
由紀がいないなんて・・

涙でぬいぐるみがグチャグチャになる

「今・・いいか?」

主人だ
いつの間に帰ってきたんだろう

私が何も言わず黙ってぬいぐるみを抱きしめていると主人が私の目の前に座り話し出した


「幼稚園の関係者と警察に話を聞いてきた」

「・・・」

「由紀と同じクラスの半分が同じ症状で亡くなったらしい・・」

「・・・」

「警察は何も教えてくれない・・調査中としか言わない・・そして白い服の奴ら・・おかしいと思って調べたんだよ・・そしたら・・」

主人が続ける


< 31 / 46 >

この作品をシェア

pagetop