選択
その時先程出て行ったもう一人の白衣の男がもう一人連れて部屋に戻ってきた

新しく部屋に入ってきた白衣の男は主人を見て頭を下げる

「このセンターの一部を任されている萩野と言います」

「まずは皆様に今までの非礼をお詫び申し上げます」

萩野はそういって深々と頭を下げた

「皆さんきちんと説明しご質問にもお答えいたしますのでどうかお座りになって下さい」




皆が席に戻ると萩野はゆっくりと話し始めた

「今回の事は・・」

「感染なんだろ!」
「さっき聞いたよ!」
「感染源は誰なのか教えろ!」

「感染源についてですが・・原則お答えする事は出来ません」

萩野の言葉に皆立ち上がる
「ですが!」

萩野は声を張り上げる

「皆さんがどうしてもというのならお教えいたします・・」

萩野はゆっくりと一人一人の顔を見るように部屋を見渡す

「感染源は皆さんのお子さんと同じ幼稚園のクラスの子供です」

「!」

同じクラスの子・・・

「その子供が何故感染源となりえたのか理由・経緯はわかりません」

「・・!」

「 今センターで保護していますのでこれ以上の感染拡大はまずないと考えています」

「その子は・・生きているんですか?」

えりなちゃんママが初めて口を開く

「はい・・ウイルスに感染しているということ以外は健康ですね」

「苦しんだり・・してるわけではないんですね・・」

えりなちゃんママは唇を噛み締めている

「おい・・」

えりなちゃんパパがえりなちゃんママを諭している

「だって!」

えりなちゃんママが泣き崩れる

えりなちゃんママの気持ち・・私にはわかる
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