選択
鈴木・・巧・・・

あまり記憶にない名前だ

由美からもあまり聞いた事がない名前だ

そんなに親しくない子供によって由美は・・・

ぎゅっと唇を噛む

「なんで・・・」

何度この言葉を思っただろう

私の言葉に主人が荒々しく車を止めた

「もう何も言うな!」

主人の怒鳴り声

「由美の死因はわかった!由美の遺体ももう少しで帰ってくる!これ以上何もいうな!」


主人が怒鳴り散らす

「怒鳴らないで!」

私の言葉も耳に入らないのか主人は怒鳴るのをやめない

「なんでなんて思ったってなんにも変わらないだろ!由美は事故にあったようなもんなんだ!」

事故・・・?

それは違う!!

「違うよ!事故なんかじゃ・・」

「そう思うしかないだろ!未知のウイルスに感染して死んだ!防ぎようもなく治療も出来ずに死んだ!仕方がないだろ!」

仕方が・・ない・・の?

由美が死んだのは
仕方がない・・事・・なの?

「そんな言い方・・」

「じゃあ感染源の子を怨んで死んでほしいって思えばいいのか?!一歩間違えたら由美が感染源だったかも知れないんだぞ!たまたま由美が被害者だった!その状況でその子に全部の責任は押し付けられないだろ!」
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