先見の巫女
どうして運命はこうも残酷なのか…
「…朱雀っ……」
名前を呼ぶ事しか出来ない自分がもどかしい。
「…雛菊っ…」
互いに互いを求め合い唇を重ねる。
今実感する。あたしは朱雀を……
好きなんだ…
好きと言えたらどんなに幸せか…
「好きだっ…雛菊…」
唇と唇が触れ合う合間合間に紡がれる朱雀の愛。
素直に嬉しい…なのに…
涙が出るばかりで言葉には出来なかった。
あたしは…朱雀を巻き込みたくないから…
あんな未来…
変えてみせるから…
あなたが戦う未来なんて…
あたしが変えてやる…
それから二人はまた口付けを交わした。