先見の巫女
「…あた…し………」
此処は何処で、何で此処にいるのか…
全く分からない。
とりあえず外へ出てみよう。
そう決めて裸足で外へと出る。柔らかい草が足をくすぐる。
ふと立ち止まり空を見上げる。この世界にあたしの帰る場所はあるの?
ねぇ…もしそんな場所があるとしたら…
あたしは……
大きく空気を肺いっぱいに吸い込む。
「♪〜♪〜♪〜
いつか天の揺り篭
還りし母の胸に
温もり癒し安らぎ
神の愛の翼
♪〜♪〜♪〜」
―ガサッ
「っ!?」
草を踏む音で振り返ると、見知らぬ銀色の髪と瞳を持つ青年が立っていた。
「………ゃっ…」
急に恐くなり逃げだそうと一歩下がる。
「あっ!!ま、待って!!俺は怪しい者じゃっ…うがっ!!」
―ドスンッ
銀色の青年は逃げだそうとしたあたしを追いかけようとして派手に転んだ。
「…ぁ…あの…大丈…」
「大丈夫!!!」
青年の前にしゃがみ込むと青年はニカッと笑顔を見せた。