先見の巫女


そうやって二人で寄り添っていた時、突然大きな地震が起きた。


―ガタガタガタッ


「きゃっ…」

「雛菊!こっちに!」



よろけるあたしを星雪が抱き留めてくれる。


「嫌な感じがする…
何かが…起こる…」


体中がピリピリとしているのが分かる。


こんな感じを何処かで…


「妖気!!」


そう言って星雪は槍を構えてあたしを背に庇う。


「雛菊!俺の傍から離れないで!!」


星雪は槍を構え、鋭い瞳で前を見据える。


そこに妖怪が何体も姿を現した。


「…水波立つ水紋の…
一槍突きし時…
広がる静かな鈴音……
鋭く美しく…
奏でし波紋よ…我を誘え!!鈴紋玄武!!」


青白い光を放ち、波紋が広がり美しい槍が姿を現す。


「これは…四神の…化身…」


…北の玄武の槍だ。
美しい…そして……


気高い神の槍。


「グギャアアア!!!」


妖怪は不気味な唸り声を上げてこちらに遅いかかってくる。








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