先見の巫女
「お、おい……」
「はい」
「それ止めろ」
「……それ?」
何の事か全く分からずに首を傾げていると、朱雀さんはごほんと咳ばらいをして口を開いた。
「さんを付けるな…」
「はぁ………」
そういう事ね…
じゃあなんて呼べば……
「朱雀でいい…。歳もそんなかわらないだろ」
「今年で18になります」
「俺は19だ。だから呼び捨てでいい。お前は…」
「雛菊…鳥の雛という字にに花の菊…」
朱い髪の青年……
朱雀と出会ったのは、あの先見の通りだった。