先見の巫女
「あぁ…。だから探してくる。お前は休んでろ…うぉっ!?」
そう言って立ち上がる朱雀の裾を引っ張った。
「てめっ!!っぶねぇだろ!!」
「あたしも行く…」
自分の服を整えて立ち上がると、朱雀がそれを制した。
「お前は病人なんだぞ?寝てろ」
「…大丈夫…。病気なんかじゃないから…いつもの事」
そんなあたしの言葉を聞いて、朱雀は怪訝そうにあたしを見る。
「いつも…だと…?」
「…うん…。でも仕方ない事だから」
仕方ない事…
軽く力が暴走しただけ…
「それに………」
あたしは朱雀の手を握って歩き出す。
「なっ!?…お前………」
「一人より、二人で探したほうが絶対に良いから」
そう言って笑うと、朱雀はふいっと顔を背けた。
朱雀の頬がほんのり赤く染まっている。
照れて…るのかな…?
だからそっとしておく事にしよう。
こうして、朱雀と二人で雀ちゃんを探す事になった。