先見の巫女
「…四神の化身の力を使えるんだね…朱雀」
「…お前…翠の名前の事といい…四神の化身の力の事といい………」
朱雀はあたしをじっと見据えた。あたしもその瞳を見つめ返す。
朱い瞳、朱い髪…
まるで朱雀のようだ。
「…お前はいったい…」
「…わからない…あたしが一番知りたいよ…」
そう言って笑う。そう…あたしが一番知りたい。
あの先見の事も…翠と羽優の事も…朱雀を懐かしいと思う事も…
知りたい事だらけ…
「朱雀、今は雀ちゃんを探さないと…妖の様子がおかしい」
今日はいつも以上に活発すぎる。こんな道のど真ん中で人を喰らうなんて…
雀ちゃんが危ない…
「雀の奴を早く見つけねぇと…あいつ…何処行きやがったんだ」
朱雀の顔にも余裕が無くなっている。仕方ない…力を使おう。
最近は不安定だったから…使わないほうがいいと思ってたけど…
「今はそんな事言ってられないもんね…」
「…何か言ったか?」
小さい声で呟いたあたしを朱雀早く不思議そうに見ている。