先見の巫女
《朱雀》


「…翡翠の……瞳…?」


雛菊の栗色の目が翡翠色に変わっていた。


此処じゃない何処かを見ている。雛菊はピクリとも動かない。


なんだ…?俺はこの翡翠色の瞳を知っている。


こいつと出会ってから頭痛がする。こいつを懐かしく思ったり、声が聞こえたり…


『羽優を…彼女を守れ…』と…何度も頭の中で響き渡る。


『我が名は……翠…』


翠という声の主は何度も俺に語りかける。


『羽優…彼女を守れ』と…





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