先見の巫女


「朱雀…あなたには妖を滅する力がある。あなたなら…きっと未来を変えられる」


今のあたしがついてったら…足手まといになる。


あの未来に間に合わなくなる。何よりお兄さんである朱雀を待ってるから…


「朱雀、山の森の中に洞窟がある。その洞窟に雀ちゃんがいるから…早く行って…雀ちゃんが妖に殺される前に…」


頭が痛い。意識が遠くなっていく。


「何言って…お前を置いていけるわけねぇだろ!!」

「大丈夫…あたしは何処かに隠れてるから…終わったら迎えに…来てね…」


そう言って安心させるように笑うと、朱雀はあたしを建物の陰に座らせた。


「雀ちゃんが薬草を良く積む森だから…」

「…わかった…お前を信じる。必ず迎えに行く。待ってろ」


そう言って朱雀は走り去っていった。


遠ざかる足音に安心したのか、あたしは意識を手放した。





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