先見の巫女
『どうか…繰り返さぬように…』
悲痛に訴えるその声の主は何度も何度も訴える。
“生きろ”と…
あなたは一体……
『翠…私の名は……翠…』
「翠………」
名前を口にした瞬間ー…
光が弾けた。
その中に翠色の長い髪を一つに束ねた青年が姿を現した。
その手に握られていたのは永久朱雀…。
あなたは…何故あたしを知っているの……?
『過去を…あなたになら見えるはずです…真実を……』
翠の姿がぼやける。
いなくならないでっ…
行かないで!!!!
ぼやけていく翠に向かって慌てて手を伸ばす。